A3複合機の選び方(受験期に役だったもの1)
受験期に必要なものをいろいろ買いましたが、あとになって「買っておいて本当に良かった」と思ったものなどをあげていきます。
A3複合機は必要?
A3複合機が必要な理由は、過去問のコピーがメインです。過去問を実施する際に、実際の試験サイズに拡大して使います。過去問には、原寸サイズにするための倍率が書いてあり、B4またはA3サイズで出力することになります。
もちろんコンビニのプリンタを使ってもいいんですが、1回に4教科、問題が多い学校では1教科で20ページというケースもあるので、かなりたいへんです。コンビニの店頭でずっとあの赤い本を広げてコピーする度胸はちょっとありませんでした(笑)。
うちは早稲田アカデミーだったので、基本的にはテキストで進んでいくのですが、SAPIXなどはプリントがベースになるので、コピーなどで複合機の需要が高いのではないかと思います。
早稲田アカデミーでも塾から配布される組み分け対策テストや合不合対策テストなどのプリントを、さくっとコピーする用途にも使えます。
うちの場合は、5年生頃から買おうとしていたのですが、コロナで製品が入手できないというパターンでした。量販店でもプリンタ関連がのきなみ品切れになっていました。Amazonで出ることもあるのですが、通常価格の2倍近い価格だったりして、手が出せませんでした。
ほかにも通販で通常価格ででることもあったのですが、ちょっと迷っている間にすぐ売り切れていました。結局、買ったのは、過去問が始まるようになる直前でした。
書き込みがなければテキストも受験後にメルカリなどでも売りやすい
うちの子どもは、テキストに直接書くことが多く、NNのテキストなどもけっこう書き込んで使っていました。ですが、受験が終わってみると、テキストなどがメルカリなどでけっこう売れています。とくにNNの教材はかなり高額な値段で売れていることを知りました。もっと早くにプリンタを買って、コピーして使うようにしたら、それなりに回収できたんじゃないかと思っています。
購入のポイント
で、A3対応の複合機ですが、実はそれほど選択肢がなく、ブラザーかエプソンになります。中受業界での定番はブラザーです。
それぞれのメーカーでまたさらに選択肢はあるのですが、購入する際のポイントは以下の点じゃないかと思います。
用紙トレイが2段
試験の用紙サイズはB4の場合と、A3の場合があります。これに加えて一般的なプリントではA4が使われます。このさまざまなサイズの用紙は、用紙トレイ2段+背面用紙トレイなら使い分けられます。1段トレイのモデルの場合は、B4とA3を入れ替えたりすれば可能ですが、案外面倒です。あとブラザーのモデルは1段トレイと2段トレイのモデルではちょっとスペックが違うのでそこは要チェックです。
オートシートフィーダーがついている
オートシートフィーダー(ADF)は自動原稿送り装置のことですが、これがあるとないとでは使い勝手にだいぶ違いがでます。ADFがあれば、複数のプリントを一気にコピーできます。また過去問をキンコーズなどの業者に頼んで断裁し、一気に連続コピーする人もいます。その断裁した過去問がメルカリなどで売っていたりもします。
ブラザーのモデル選び
MFC-J7300CDW
MFC-J7300CDWというオートシートフィーダーがついて、2段トレイのモデルが2022年の冬に発売になっています。これが主流のモデルだと思います。
従来モデルに比べ、プリント速度が向上しています。大きなヘッドを搭載することで、A4換算でカラー28面/分、モノクロ28面/分と向上させています。両面印刷時も、1分間21枚で高速が特徴です。
耐久性能が30万ページと旧モデルや他社モデルより高いこともポイントです。ブラザーはエプソンに比べるとインクも安いので、ランニングコストの面では有利です。
一方、インクを吹き出す細かさは、一般的には細かい方(数字が小さい方)が精密に表現できます。本機の前モデルMFC-J6983CDWが1.5plなのに対し、本機はカラー2.5pl~、ブラック4plと大きくなっています。
普通紙印刷を主とするビジネスモデルなら、特に気になる品質ではないと思います。このへんはスピードをとるか、きれいさを求めるかだと思います(このモデルの書類出力が汚いというわけではありません。比較の問題です)。
■MFC-J7300CDW
耐久性能:30万ページ
インク代:カラー6.5円・モノクロ1.7円
印刷速度:カラー28面/分・モノクロ28面/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載(A3対応)
スキャナ:1200dpi
ADF:両面 50枚
FAX:搭載
サイズ: 幅566×奥行476×高さ375mm
たぶん、このモデルが中受業界のスタンダードモデルなのではないかと思います。価格は2023年4月末現在で、47000円程度です。迷ったらこれでしょう。
MFC-J6983CDW
MFC-J7300CDWは2022年の発売ですが、2019年に発売されたMFC-J6983CDWもまだ市場には残っています。わが家でもこれを使っています。
基本的なMFC-J7300CDWとの違いは、印刷の速度と耐久性でしょう。A4換算でカラー20面/分、モノクロ22面/分で、耐久性は15万ページです。
あとは、本体価格の差をどう考えるかでしょうね。2023年4月末現在の価格は約37000円で、MFC-J7300CDWとは約1万円の差があります。旧機種が市場からなくなれば、新モデルの価格も下がっていくと思います。印刷速度と耐久性の性能差を1万円の価値があると考えるか、それくらいなら安い方がいいと考えるかが分かれ道ですね。
MFC-J7100CDW
上述のMFC-J7300CDWの1段トレイのモデルです。単に用紙トレイが1段になっただけでなく、ADFでのスキャン性能が違います。2段トレイモデルはADFで一括で両面コピーができますが、1段トレイモデルでは自分で裏面にひっくり返してコピーする必要があります。
過去問を本のままプリントするだけなら、まったく関係ありませんが、断裁した過去問や、配布プリントのコピーを考えるとけっこう面倒です。用紙トレイの差し替えや、両面を自動スキャンでできないことを考えると、わたしなら購入候補にはしません。
価格は34000円程度と安いですが、これなら旧モデルを購入します。このあたりは、どういう用途で考えるかによると思います。
エプソンのプリンタ選び
PX-M6011F
エプソンの主流モデルは、2020年に発売された2段トレイのPX-M6011Fになります。
基本的なスペックは下記の通りで、耐久性と印刷速度、インク代といった部分では、ブラザーが上回っています。またスキャン性能も自動両面スキャンはできますが、片面ずつのスキャンになるので、ブラザーのMFC-J7300CDWに比べると、2倍近くの時間がかかります。
■PX-M6011F
耐久性能:15万ページ
インク代:カラー9.4円・モノクロ2.9円
印刷速度:カラー12枚/分・モノクロ25枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載(A3対応)
スキャナ:1200dpi
ADF:両面 50枚
FAX:搭載
サイズ:幅515x高さ285x奥行450 mm
ただ、サイズはブラザーに比べると若干コンパクトです。地味に便利なのが、排紙トレイが自動的に出る機能です。プリントをしたときに排紙トレイを出し忘れて、プリントした用紙がばらばらになってしまうということを防げます。PCからのプリントなどをよく使うときには便利です。
価格はブラザーのMFC-J7300CDWに比べると安く、2023年4月末現在で4万円程度です。2段トレイのモデルでは、
ブラザーMFC-J7300CDW(現行モデル)>本機>ブラザーMFC-J6983CDW(前モデル)
という価格比です。印刷速度は気にしない、コンパクトさ、価格を重視する、という人向けでしょうか。
とりあえずA3複合機がほしい価格重視ユーザーなら、エプソンの1段トレイのモデル、PX-M6010がいいでしょう。2023年4月末現在の価格は、約32400円です。
受験が終わったら売ってもいい
A3複合機は実際に届いてみると、びっくりするぐらい大きいです。サイズ以上に見た目の圧迫感があります。さらにA3の用紙をトレイに入れたときは、用紙トレイが前面にはみ出しますので、さらに場所をとります。
受験シーズンはしょうがないですが、受験が終わったら処分したくなったりもします。実際ネット上の沼の皆さんもメルカリなどで処分しているひとは少なくありません。しかも2〜3万円などのけっこういい値段で売れているようです。
そこまでのフローを考えているなら、プリンタを購入したら、箱は絶対にとっておきましょう。こんな大きなプリンタを入れる箱なんてなかなかないので、輸送用にぜひとっておいたほうがいいです。
ブラザーもエプソンも、ここで紹介したモデル以外の上位機種があります。このサイズのモデルはビジネスモデルなので価格もそれなりに高くなります。また、プリンタを買わずに、業務用コピー機をレンタルする人もいます。
ここでは一般家庭がコストを重視して、かつ快適に使えるモデルを紹介しました。A3複合機はなくてもなんとかなっている家庭も少なくありませんが、個人的にあったほうがよけいな手間が減って、楽になりました。