【中間層の中学受験③】志望校の選択が難しくなってきている
以前、Y55〜Y60くらいの微妙な中間層だった子ども受験について、下記のような記事を書きました。
2023年の受験結果が出そろってきたり、メディアでもいろいろ情報が流れてきたりしています。それらをみると、やっぱり中間層の中学受験が難しくなってきていることがわかってきました。
そのあたりも含めて、受験校選びについて、早めに準備しておいた方がいいことを書いていきたいと思います。
中間層受験者の抑え校は偏差値があがってきている
2023年の首都圏での私立・国立中学校受験者総数は52,600名で、前年より1500名増加しています(首都圏模試調べ)。そうした動向からか、中間層受験者が適正校や抑え校として狙いたい学校が難しくなっています。
関東圏の男子の受験では、以下のような日程例が考えられています。
- 2月1日午前:チャレンジ校(または適正校)
- 2月1日午後:抑え校
- 2月2日午前:適正校(または抑え校)
- 2月2日午後:抑え校
- 2月3日午前:適正校(またはチャレンジ校)
どのようなプランであれ、1日か2日かのどちらかで合格しておきたいのです(埼玉、千葉の学校に通える場合はまた別ですが)。そうすることで、3日や4日にチャレンジしたりすることも可能になりますし、そもそも精神的な負担が軽くなります。
押さえ校は一般的に持ち偏差値の−10位までは視野に入れて選択するようです。例えば偏差値がY57くらいだとすると、抑え校はY47くらいから広く選択しておきたいところです。人によっては-15くらいの学校も検討するようです。
ところが2023年では、全体的に偏差値が上昇傾向で、とくに偏差値Y50〜Y60の学校の多くが上がっているようでした。ちょうど日能研から2023年の中学受験結果を受けたR4偏差値(80%合格偏差値)がでていました。
その結果を見て、志望校選びをチェックしてみました。
入試日ごとに偏差値が変動した学校
2022年12月の偏差値表から、2023年3月版で変動したおもな学校をチェックしてみました。上がっている学校は赤、下がっている学校を青で記載しています(目視でざっとチェックしただけなので、数値が間違っている場合もあります)。
2月1日
全体に上昇していることがわかります。まあ、偏差値1くらいの上下なら微細な範囲ですが、開智日本橋や東京都市大付属のように4も上がっていたら受ける予定が変わってきますね。
午後受験校もかなり上がってきていますね。例えば青稜は中間層でもわりと抑え校として選択されることの多い学校でしたが、ちょっと抑えとするには不安なくらいに上がってきています。倍率も調べてみると「3.6倍」にもなっていました。けっこう厳しいですね。
2月2日
この日は、最上位層だと神奈川の聖光や栄光などがあり、あがっています。中間層が受けることの多い世田谷学園などは「+3」もあがっていて、手軽に受けられる感じではなくなっています。午後校も、高輪(算数)、等々力、三田国際などは偏差値60付近になっていて、とても抑え校とはいえません。
2月3日
3日については、下がっているところが多いですね。ただ午後校は、等々力、開智日本橋などは上がっていますね。
2月4日
この日になると、Y55〜Y60くらいのゾーンが全体に上がっています。4日午後のドルトンなども偏差値で4上がっています。この時期の募集は、募集人数もとても少なく、三田国際なら募集は5名しかありません。
4日に受験するなら、どこかで合格を持っていないと精神的に相当きつくなります。この時期までに合格がない場合には、学校見学をしたことのない学校を急に受けることにもなりそうです。
学校見学は春先や夏までにできるだけ見ておきたい
そんなわけで、学校見学については、できるだけ多くのところにいっておくほうがいいです。あまり考えてなかった学校でも行ってみたら意外に良かったというケースも少なくありません。
特に秋になってから行われることも多い学園祭などは、結局子どもはいけなくなることも少なくありません。秋口になると時間的にまったく余裕がなくなります。秋になると過去問も始めるので、本当に時間がなくなります。さらに受験する可能性が少ない学校の見学を、わざわざ日曜日などの塾を休んでまではいけなくなります。
まあ、最悪親だけが見ておくのでもいいのではないかと思いますが、もし本当にその学校に行くことになるなら、やはり子どもが見ておく方がいいように思います。
そのへんの受験校の選択については、また別の記事でご紹介したいと思います。